推しのための人生

飽き性なオタクが飽きなかった話

推しと目が合う距離感。

ライブの時に今推しと目が合ったかも?と

思うことはあってもそれは確実ではない。

1対1。確実に目が合う距離感を、

私は久しぶりに体験したのだ。

 

 *

 

めせもあを推し始めてから

ライブに行く様になり、

初めて推しに会いに行った日から、

気づけば何回も会いに行っていた。

認知をしてくれることを知ってから、

でも私はあんまり印象がないから

周りのオタクよりも「絶対」に認知して

くれている確証が無かった。

そんな気持ちを抱えながら、

「また来年」とハイタッチをした2019年の

カウコンが最後になるとは

思ってもいなかった。

 

推しに会えなくなった日々から、

電話でお話出来る特典会が始まって、

オンラインで、顔もみれる特典会が

出来るようになって、

イベントも少しずつ出来るようになっても

まだ直接会えなかった2020年。

状況が良くなるにつれ、

お出迎えやお見送りが出来るようになって、

パーテーション越しにメンバーをみた。

前だったら、1人ずつ握手をしながら

感想を言ってたなって、

思いを伝えられないのがとても寂しい。

そんな時に久しぶりの撮影会が

開催される事になった。

 

ああ、私は行けない。

 

仕事終わりに向かっても、

受付時間に間に合わなくて

泣く泣く諦めた。

 

まだ会えない。

 

イベントは段々とお客さんを

入れて出来るようになって、

ステージ上の推しはみることは出来ても、

対面で会うことは出来なくて、

そして迎えた聖誕祭で、

私は数年ぶりにパーテーションを挟んで

推しと対面した。

久しぶりに直接会えたことを伝えたら

「いつもいっぱい買ってくれてありがとう」

と言ってくれた。

私は終わってから会場の外のベンチに

座って、静かに泣いた。

 

その後にも撮影会が開催される事になった。

待ちに待った平日が1日。

私はその日に全てをかけて、

その日が来るのを待ちわびた。

 

でも、また会えなかった。

 

自分の体調管理不足で、

せっかく取った券を無駄にしてしまった。

悲しくて悔しくて仕方なかった。

 

そして3度目の撮影会が

開催される事になった。

日程的に仕事は休めはしないけれど、

時間に余裕がある。これは行ける。

私はやっと、推しに会える日がきたんだ。

 

そうしてあっという間に迎えた当日。

なんだか会えるっていう実感がなくて、

直前まで他人事のように思っていた。

いざ、中に入ってみると

オタクが並んでいて、メンバーの声が

するこの感じ、懐かしくて懐かしくて。

ああ、存在してる。なんて

まるで初めてあったみたいな感想だけど、

この距離感でお話ができる有難みを、

コロナ前よりも強く感じた。

 

久しぶりに撮影会に来たことを伝えて

2年ぶりに来たんだと伝えたら

とてもびっくりされたけれど、

「オンラインでは話してたけどね〜」

その一言で私は、

舞い上がって仕舞うのである。

 

コロナ前と比べたら、

会える機会が減ってしまい、

きっと、推しに会えなくなって

しまった人もたくさんいるでしょう。

逆にコロナ中にハマって、

最近初めましてした人もいるでしょう。

会えなくて辛くて他界してしまった人も

いるでしょう。

全く知らない人の他界するツイートをみて

静かに泣いたこともある。

大好きでも、会いたくても

それが許されない人もいて

大好きなのに他界せざる負えない、

その気持ちを想像するだけで、

胸が痛む。

いつか、世の中が良くなって、

前みたいに戻れたら、

めせもあを大好きだった人達が

戻ってきてくれたらいいな。

きっとメンバーもずっと待っている。

そんな事を思って生きている。